ナパでワイン巡り
 

ワイン巡り 》  PART 1PART 2PART 3PART 4PART 5


ワイン・テイスティング

98年、アメリカの好景気は完全にバブル状態と化していた。これだけ株価の上昇が長びくと、バブリーな遊びがはやり出す。その1つがナパ・バレーのワイン巡りだ。


日本のバブル時代にシャトー・ラトゥールだの、フォアグラだの、おいしい遊びを覚えてしまった方は、即、カルフォルニアへ。サンフランシスコの北、ナパとソノマは世界有数のワインの産地だ。しかも、このワインテイスティング遊びはいたって安い。高くても$15。

98年、当時、私はカリフォルニア、サンノゼでオンラインショッピングのビジネスを経営していた。友人のジェイソンはインターネット専用線のメンテナンスとサーバーの構築をやっていた。ある日、夕食時にジェイソンとワインについて話していると、「そんなに好きなら、ナパにワイン・テイスティングに行こう」と誘われたのである。

「そりゃいい!」と前日からジェイソンの家に泊り込み、ピクニックの用意をして週末、朝早くからクルマを飛ばして北上。サンノゼから2時間も走ると、もうそこはワイン・カントリーだ。

あいにく冬だったので、もう、ワインの仕込みはとっくに終わっていたのだが、観光客は相変わらず多い。 「収穫時に来ると、ナパの表通りは日本なみの交通渋滞になるんだ」とジェイソンは言う。

最初に訪れたのはナパ・バレー最大、超有名なローバート・モンダビ。カルフォルニア・ワインを知る人なら誰でも一度は、モンダビのレザーブぐらいは呑んだことがあるはず。赤のカベルネ・ソービニョンは非常においしく、アメリカの代表作だ。ここは生産量も多く、全米のワインショップで売られており、97年にはNASDAQに株式公開を果たした。

ここのワイナリーはワイン・ツアーも充実している。我々も参加したこのツアーは、1時間みっちり、ぶどうの育成から収穫、ワインの生産まで教えてくれる。ワイナリーはぶどう畑の真ん中にあって、生産設備からワインの貯蔵庫まで見せてくれるのだ。

ガイドは30代の男性で、ワインが好きでこのアルバイトを週末だけやっていると言う。この会社の人ではないので、けっこう言いたい放題言うのがおもしろく、飽きさせない。

ツアーの最後が、ワイン・テイスティング。各自(50人はいた)にワイングラスが与えられ、次から次へと、このワイナリーだけで限定販売している、特別生産のワインが振る舞われる。

ワイン・ガイドは「モンダビのレザーブだったら、スーパーで買った方が安いよ。」と言い、「会社はどんどん出すと嫌がるんだけど、俺の知ったこっちゃない。」と新酒を7種類ぐらい出した。ちょっとずつテイスティングをするわけだが、7種類となると、良い気分になる。

このガイドに言わせると、ワインができるぶどうの種類は900種もあるそうだ。その中には忘れられた品種も少なくない。モンダビでは、選りすぐりの品種を選び、限定生産して実験しているとのこと。 その時呑んだ白のなんとも言えない、フレッシュな味…と言っても、名前は忘れてしまった。この後、8件ぐらいのワイナリーを回り、がんがん呑んできたからだ。

モンダビではツアー中にワインは売らない。ツアーの参加費も無料だ。でも、ワインの売店はちゃんとあって、ここで4本買ってしまった。ここでしか買えないものは、やはり買ってしまう。

我々がモンダビを後にしたのは、朝11時。ワイン巡りはこの後、米産ワインのバブルの巨大モニュメントへと続く。

1998年5月20日掲載

次 》PART 2


(C) Tom Sato 2003