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やさいのコラム BY TOM SATO
98年から2000年にバーゲンアメリカマガジンで発表した趣味のやさい作りコラム
畑一反
読者の皆さんの中には、毎日仕事に追われて、庭いじりどころではない方が多いかもしれない。それでも最近は、テレビや雑誌でガーデニングの特集が増えたこと、デパートやスーパーで園芸専用コーナーが拡大されていることにお気付きの方もいるのではないだろうか。
私は去年(97年)、インターネットでアメリカの種子をネット販売しようと試みて、失敗している。そこで今年は何をしたと思います?
畑を一反借りてしまったのです。
一反と言えば300坪。どうしてこんなことを始めてしまったのか。その経緯から説明しようと思う。
私の両親は既にリタイアしており、数年前、関西から長野県に引っ越してきた。関西は地震で揺れるし、夏は暑い。長野の山奥なら夏は涼しく、冬はスキーができる。で、実際に引っ越してみると、本当に田舎暮らしは居心地がよく、父も母も地元の人と、すっかり仲良くなってしまった。
親しくなった方のなかに、近くのパン屋のご家族がいる。このパン屋さんは、辺り一面畑。でも、品質が良いことと近辺にベーカリーがないこともあり、大変人気がある。
夏のホリデーシーズンは、朝のうちに売れ切れてしまうほど。このパン屋さんの目の前には小さな畑があり、そこで材料に使う野菜を育てている。
去年は、母がこの畑の1畦を借りてトマトと中国野菜を植えた。この小さなベジタブルガーデンは、常に新鮮な野菜とハーブを我が家に供給し、とても評判が良かったのである。
そこで、私は「来年は、もっと大きな土地を借りたら」と、父に散々、吹き込んでおいたのである。3月のある日、長野に行ってみると、父が「畑を借りた」と言う。電子メールで最近知り合った地元の人に、ガーデニングをやりたいので、畑の一部を使わせてくれるような人はいないだろうかと、問い合わせたのである。すると「うちの畑を使ってくれ」と早速返事をもらったのだ。
土曜日に行ってみると、畑はパン屋の直ぐ近くで、舗装された国道(と言っても小さな道だが)に面して、まわりは用水路があり、長方形にしっかりと区画整備されている。
畑の大きさは、テニスコートよりも広く、東京だったらマンションが1軒建つほど。きれいに耕された広大な畑を前に、父と私は呆然とした。
バーゲンアメリカマガジン1998年11月13日掲載
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